青空バスケ―another story―
すれ違い
陽斗side

「はぁ!?
ナナちゃんに会った!?」


いつもの居酒屋でイツと侑哉と飲んでいた時のことだった。


「ちょっ……それで!?
それでどうしたの!?」

「それでって……別に。
海里の連絡先だけ渡した」

「はぁ!?!?
他には話さなかったの!?!?」


俺が頷くと、イツはバンバン!とテーブルを叩いた。


「ちょっとちょっと!
そこは普通感動の再会のシーンだろ!
なぁ、侑ちゃん?」

「俺も伊沢に会ったけど」

「えぇ!?!?
何なの、みんなして!
会ってないの俺だけ!?
ってか、どこで会ったの!?」


酔っても酔ってなくても同じテンションのイツ。

声のボリュームが大きい……。


「伊沢の仕事場」

「え……ナナちゃんの!?」


仕事場……?


「どこどこ!?」

「言わない。
つーか、本当は会ったことも言わない約束だったんだけど。
陽斗と再会したならいいかなって思っただけだし」


ブー、と不貞腐れるイツ。

こんなところは昔から変わらない。


< 260 / 300 >

この作品をシェア

pagetop