Light of hope Ⅰ【完】
深く考えなかった私も悪いけど、あまりにも強引すぎる。
「こんな時間に出かけるお前が悪い。さっきは俺がいたがいなかったら殴られてたんだぞ」
さっきの事を思い出したのか、眉間に皺を寄せて睨んでくる。
だけど今更でしょ。さっきの事を掘り返したって何も変わらない。
「殴られる気でいたからね」
そうあっさり認めれば、舌打ちをした蓮。
「もう遅い時間に出かけるんじゃねぇぞ」
「分かったよ……多分」
さっさとここから逃げるためにはしょうがないと思いながらも、語尾に多分がついてしまう。
「多分じゃなくで絶対だ」
絶対なんて無理だと無視していると、始末が終わったのか朔がこちらに歩いてくる。
「ごめんね、由美ちゃん遅くなって」
「いや。…遅くなって?」
何故に私に謝る?謝るなら一緒に帰るはずの蓮にでしょ?