In the warm rain【Brack☆Jack3】
(あたしは…ずっと、一人だったから…)


 だから、幸せだった。

 今までよりは、何倍も何倍も。


『よくやったな』


「……!!」


 がばっと、枕を頭の上からかぶって。

 よく、やったな――そう、この言葉。


「あたし…あたしは…」


 体中が震えた。

 その、いつも夢に出てくる言葉が、たまらなくキライだった。


 そうやっていつも、自分を心地よくさせて。

 そうやっていつも、自分は拘束された。

 ――あの、組織に。
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