In the warm rain【Brack☆Jack3】

【3】

【3】




 ミサトとレイは、ダウンタウンの一角にある薄汚れた安宿にチェックインする。

 幸い、レイの傷は掠り傷程度ですんでいた。


「…相手が下手クソな狙撃手でよかったね、レイ」


 残った包帯を片付けながら、ミサトは言った。

 だがさっきから、レイは浮かない表情をしている。


「…どうしたの?」

「…あの狙撃手の腕は確かなものだったわ。ミサト、あなたが気付いてくれなかったら、心臓を打ち抜かれてた」

「まさか。狙われてるのはあたしでしょ」


 ミサトは苦笑する。


「それよりもレイ、さっき携帯で話をしてたみたいだけど…」

「見てたの?」

「あ、うん。赤外線スコープでちょこっとね」


 気分悪くしたらごめんね、とミサトは謝る。

 レイはしばらく考え込んでいた。

 そして、口を開く。
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