In the warm rain【Brack☆Jack3】

【3】

【3】



 部下から報告があったのは、エイジが出国してから半日が経過した頃だった。

 ユイはすぐさま、レンが運び込まれたという病院に向かう。


「…で、容体は?」


 その車の中でユイは、運転している直属の部下であるリーに聞いた。


「左の脇腹に、銃弾が貫通しているそうです。今はまだ意識は戻っていませんが、命に別状はありません」


 淡々としたその報告を、ユイは黙って聞いていた。

 とにかく生きてて良かった。

 部下達の発見がもう少し遅れていたら、危なかったかもしれない。


「…頼みがあるの」


 ユイは、後部座席から静かに言った。


「しばらく…会社を留守にすることになると思うから、後のことはよろしくね」

「分かりました。ですが」


 リーは、ルームミラー越しにユイを振り返る。
< 137 / 221 >

この作品をシェア

pagetop