In the warm rain【Brack☆Jack3】
「わたしは…あなたのことが好きよ、ミサト。あなたと過ごした組織での幼少時代、あなたはわたしにとって妹のような存在であり、支えてくれるかけがえのない存在だった。そして、あなたは唯一、わたしの友達なの…」

「シャン…あたしも…」

「だから逃げて。わたしの最後のチャンスは、あなたたちに託すわ。前のボス…ハク老師の願いは、あなたたちを見ていればよくわかる…」

「シャン…!」

「早く。レン、エイジ、今のチャンスを逃す手はないわ。適切な状況判断…わかるわよね?」

「…あァ…わかってる」


 エイジはそう言って、ユイを促すと歩き始めた。

 レンもミサトを抱えたまま歩きだす。


「レン、待って…シャン!」

「ダメだ、行くぞ」

「いやっ!!」


 ミサトはレンの腕の中でもがくが、レンは決して離そうとはしなかった。
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