In the warm rain【Brack☆Jack3】
「シャン!」


 ミサトはシャンの方に手を伸ばす。

 シャンは、悲しそうな笑顔でそれを見つめた。


「泣かないで…」


 必死で何かを叫んでいるミサトに、シャンは話し掛ける。


「大丈夫。例え死んでも、心の中でずっと生きるの。だっ て私たち…」


 その時、どこからか発砲された銃弾が、シャンの胸を貫いた。

 シャンはその場に倒る。


「監視されてるんだ。急がねェと…」


 命を張って助けてくれたシャンの気持ちが無駄になる。

 エイジとユイは車に乗り込んだ。

 レンも、半ば無理矢理ミサトを車の後部座席に押し込む。

 シャンの視界には、どんよりと曇った空が映っていた。


『だって私たち…親友だから』


 その言葉は、優しく打ち付ける暖かい雨に、音もなく吸い込まれていった――。
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