In the warm rain【Brack☆Jack3】
「…何の話を?」

「それを聞くのは野暮ってモンだ」


 素っ気ないエイジの返答に、レンはああそうかよ、と不貞腐れた相槌を打った。


「それより、姫のご機嫌は?」

「…聞くな」

「何なんだよ」

「テメェが教えた料理、一生懸命練習してたぜ」

「いい心がけじゃねェか」

「…まァな…」


 何故か苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるレンに 、エイジは苦笑する。


「…今まで銃の扱いしか教えられてなかったんだ、少しくらいは大目に見てやれよ」

「試しに食わされる身にもなってみろ」

「まァそう邪険にすんな。俺はあの店、辞めるからよ 」


 灰皿にタバコを押しつけながら言うエイジを、レンは見つめる。
< 25 / 221 >

この作品をシェア

pagetop