In the warm rain【Brack☆Jack3】
「その口のうまさで、ミサトも納得させるこったな」


 缶を受け取りながら、レンは言った。


「それはテメェにまかせる、って言ったら?」

「やなこった」

「だろうな」


 そう言って、エイジは新しいタバコに火を点けた。


「みんなが笑って平和に過ごす…簡単なようで、案外難しいのかもな」


 エイジは、噛み締めるように静かに言った。


「だな。特に、俺たちみてェなはぐれモンにはな」


 それ以上、二人の間に会話はなかった。
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