In the warm rain【Brack☆Jack3】
 ミサトは、テーブルに突っ伏した。


「…何やってんだろ、あたし…」


 エイジがユイの所へ行った。

 それを聞かされたからなのか。

 昔は、こんな気持ちになったことは一度だってなかったはずなのに。

 一人には慣れている。

 ずっと孤独だったから。

 逆に、こっちから誰かと係わるのを避けていたくらいだ。

 …それなのに。

 この街に来て、本当に何年ぶりかに“かけがえのない人”を見つけた気がした。

 だが、ミサトが生まれて初めて『かけがえのない』存在だと思った人は。


「…シャン…」


 この前夢を見たからなのか、施設で一緒だった“親友”のことを、ふと思い出した。
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