In the warm rain【Brack☆Jack3】
 少しぬるめのシャワーを頭から浴び、すっきりしてバス ルームから出たところで、店から戻ってきたレンと出くわした。


「もう起きたのか?」


 いたって普通の態度で、レンはそんなことを言う。


「暑くて寝てらんないのよ。あんたこそ、朝早くから何してたの?」


 レンの態度がいたって普通であることに何故か苛立ちを感じて、発する言葉もどこか刺々しくなってしまう。


「あァ、レイと話してたんだよ」

「………」


 冷静になれば、ごく普通のことなのだが。

 レンとレイは同僚で、二人が話をしていても何の不思議もない。

 だが、昨日、彼女は店が終わったあと早々に帰ったはず。

 それなのに、朝七時すぎにこんな形で会っていたのだ。

 だが、もっとよく考えてみれば、二人がどんな時間に会っていようとも、自分には関係ない。

 ましてやレンはそのことを隠そうともせずに正直に話している。
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