In the warm rain【Brack☆Jack3】
「そう…」


 一通り話を聞きおわったあと、ユイはどこか複雑な表情を浮かべて頷いた。


「そう…って、たったそれだけ!?」


 もう少し何か言ってくれても、とミサトは口を尖らせた。


「あぁ、ごめんなさい。典型的な“嫉妬”よ」

「はァ!?」


 考えもしなかったその言葉に、ミサトは素っ頓狂な声を上げる。


「何言ってんの!?」

「誰が聞いてもそういう答えが返ってくると思うけど…」

「そんなバカな…あたしはただ」


 そこまで言ったときに、オフィスのドアが開いた。

 振り返ると、そこにはエイジが立っている。


「お帰りなさい、エイジ」

「あァ、ただいま。来てたのか、ミサト?」

「そうだよ。悪い?」

「いや、悪かねェけど…」


 これまた刺々しいミサトの言葉に、エイジは困った視線をユイに投げ掛けた。

 助けを求められた本人も、お手上げだというように肩をすくめて。
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