In the warm rain【Brack☆Jack3】
 次の言葉を言い返す間もなく、エイジはすっと立ち上がる。

 そこへ、思い直したのかミサトが店に戻ってくる。


「ミサトさん」


 レイが声をかけた。


「大丈夫よ、店、忙しいもの。ちゃんと仕事しなきゃね。どっかのバカは放っておいてさ」


 両手でガッツポーズを作り、ミサトは言った。

 そして、エイジと視線を合わせる。

 エイジは何事もなかったようにミサトの方を見てウインクをする。


「Let's showtime」


 そう言ってエイジはにやりと笑った。

 よく言葉が聞き取れずに、ミサトは眉をひそめる。

 何げに時計に視線を送ると、ちょうど日付が変わったばかりだった。
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