In the warm rain【Brack☆Jack3】
「………?」


 どきん、と心臓がひとつ、大きく脈打った気がした。

 次の瞬間、店の客が一斉に立ち上がる。

 ミサトはレイをかばうようにその場に押し倒す。

 レンはカウンターを飛び越して、エイジは跳躍で一番手近にいた客を蹴り倒した。

 鳴り響く銃声は、ミサト達の前では戦闘開始の合図にはならなかった。

 長年の勘が、いち早く危険を予知したからだ。


「ミサトさん!」

「ここから動かないで、レイ。どうやらこいつら、ウチの店に喧嘩売りたかったらしいね」


 エイジとレンは、次々に客を倒していく。

 厨房に続く裏口からも、何人か店の中に入ってきた。

 ミサトはカウンターの裏側に置いてあった銃を手に取ると、相手の武器目がけて引き金を引く。


「何なのよこいつらっ!」


 示し合わせたような客たちの行動に、ミサトはある言葉を思い出した。
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