In the warm rain【Brack☆Jack3】
「今回に限っちゃ、こいつの意見に賛成だ」


 タバコの煙を吐きながら、エイジもこんなことを言い出した。

 ユイは更に何かを言おうとしたが、思い直したように肩をすくめる。


「…OK。あなた達がそう言うんなら、私ももう何も言わないわ」


 自分の所在をどうしていいのかわからずに困っているレイに、ミサトはまたソファに座るように促した。

 だが頭の中で、何か違和感を感じる。

 いつもならエイジとレンは意見を合わせることなど滅多にないのに、今日はやたらすんなりと意気投合している。

 確かにユイの言う事も納得はできる。

 しかしこの二人が、雇って一ヵ月も経たない見知らぬ人物に、ここまで心を許すとも考えにくかった。
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