In the warm rain【Brack☆Jack3】
 ユイはにっこりと意味深な笑みを浮かべて。


「複雑な女心、ってやつかしら…彼女の場合は特に、ね」

「複雑すぎてわからん」


 口唇でタバコをくゆらせながら、エイジは天を仰いだ。


「でも大丈夫かしら…あれだけ素性を調べても何もわからなかった彼女と、ミサトを一緒にいさせて」


 ユイは口元に手を当ててそう言った。


「半分は大丈夫だろ」

「半分? どういうこと、レン?」

「ま、あの女もまっとうな世界に生きてきたワケじやねェからな。そこらへんは危険だが、腕は確かだ」

「知ってるのね、彼女のこと?」

「まァな。昔の馴染みだ」

「てことは、エイジも?」

「ん? あァ」


 この二人にそこまで言い切られては、返す言葉もなかった。
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