In the warm rain【Brack☆Jack3】
 少し気まずい雰囲気をなんとかしようと、レイは笑顔を作った。


「ね、ミサトさん、あなたがもしよかったら」

「わかった。色々準備もあることだし、あたし一旦レイのアパートに行くわ」


 そう言って、ミサトは部屋を出て行った。

 そのあとを慌ててレイが追い掛け、あとにはエイジとレン、ユイの三人が取り残される。


「珍しいじゃねェか、テメェがそんなにムキになるなんてよ」


 ソファに深くもたれかかりながら、レンは言った。

 エイジはレンの向かい側のソファに腰を掛けると、ポケットからタバコを取り出して口にくわえる。


「つい、な…何にもわかっちゃいねェんだよ、あいつは」

「そうかしら?」


 ユイは自分のデスクから立ち上がり、エイジの隣に座る。


「ミサトはエイジもレンも、どっちも同じくらい大切に思ってるから、ああいう行動をしたんだと思うわ」

「なんだそれ?」


 意味がわからないというように、レンはユイを見る。
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