In the warm rain【Brack☆Jack3】
「少しでも寝ておけばいいのに…」


 入れたばかりのコーヒーをテーブルの上に置きながら、レイは言った。

 ミサトはソファの上で両膝を抱えるようにして座っている。


「大丈夫?」


 レイは心配そうに、ミサトを見つめた。


「…エイジとレンがここにいた時と、確かにこの部屋は見た目は違うけど…」

「………」

「やっぱり、癖なのかな。いつ誰に襲われるかもわかんないから、あいつらいつも昼間でも部屋はカーテン閉めきっちゃったりしてさ」

「…癖?」

「…まぁね。あたし達みたいな種類の人間によくありがちな癖ね」


 ミサトは膝に頬をくっつけたまま、上目遣いにレイを見上げた。
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