In the warm rain【Brack☆Jack3】

【2】

【2】



「っはぁっ…はぁ…」


 さすがに息があがってくる。

 ダウンタウンの片隅に身を潜め、ミサトは銃に弾丸をつめ直す。

 この一週間、ずっとこの調子でダウンタウンを駆け回っていたが、襲ってくる連中はみんな、取るに足らない雑魚ばかりで、余計な体力ばかり消耗していた。


「ミサト、こっち」


 レイが、建物の間の細い道に逃げ込んだ。

 ミサトもそのあとに続く。


「今のところ、追っ手はもういないらしいわね」


 辺りを見回して、レイは言った。

 そして、ミサトを振り返って、心配そうにその顔を覗き込んだ。


「…大丈夫? 相当疲れているみたいだけど…」

「うん、平気…」


 気力を振り絞って立ち上がり、表通りに出る。

 この時間、ダウンタウンには人通りはなかった。
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