すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
ドアを開けた瞬間、カウンターに座る竜哉と向いに立つマスターの晃樹が目に入った。


竜哉はみんなと別れた後、一人で飲みに来ていた。
既にグラスは空に近かった。


「姉ちゃん、ここ!」


奥のテーブル席から祥吾が手を挙げて、呼んだ。


「まったく…しっかりしなさいよ。はい」


雪菜は呆れながら、財布から1万円札を2枚出して渡す。


祥吾からの「助けて」は財布を忘れたことだった。

財布を忘れたのなら、一緒にいる人に借りればいいのだろうけど、祥吾の他にいるのはみんな女の子…。

男としてのプライドがあったのだろう。


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