すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
過去の想い
家に帰らない竜哉が辿り着いた場所は、高いビルの中にあるバーだった。


「いらっしゃい…竜哉、金曜の夜に珍しいな」

髪を固め、口髭を生やしているマスターがカウンターから顔を出した。

本人は少々ワイルドな雰囲気を出しているつもりなのだが、少したれた目が優しい印象を出していて…どちらかと言えば爽やかな雰囲気がある。


このマスターは竜哉の4つ上で大学時代の先輩である。

一年留年したマスターは竜哉が1年の時に4年だった。


ここのバーはもともとマスターの父親がやっていて、父親が2年前に他界したため、マスターが跡を継いだ。


「振られたから、ここに来た…」




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