らぶ・みー 
それ以上、どんな言葉をかけたらいいのか、思いつかなかった。

自分の頭の中を上手く整理することも、今は無理だと思った。

私には、彼の気持ちも、益田さんの気持ちも、そして.......美保ちゃんの気持ちもわかってしまうから。



彼だけじゃなく、私にとっても益田さんの言葉はショックだった。

益田さんは愛する人のために、いつかは自分が身を引く覚悟を決めていた。

それに比べ、今の私は泰樹と一緒にいる事しかできなくて、それがお互いの幸せだと願っていて.......



本当にそれでいいのかな? それが彼のため?



不安そうに私を抱きしめる彼を、子供をあやすみたいに包みこんでいると、愛しくてたまらなくなる。

でも、私と一緒にいたら、彼はごく普通の幸せすら手に入れられない。



わかっているのに、彼に溺れた私は、混乱する頭に浮かんで来た疑問を、できるだけ、考えないようにしてしまう......
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