らぶ・みー 
彼は壁にもたれて、私と益田さんの話を聞いていた。

うつむき加減になっている顔は、とても悲しそうな表情をしている。

ライダースのポケットに突っ込んでいる腕に手を回し、肩にもたれかかると、反対の手で私の髪を撫でながら、彼はしばらく黙り込んでいた。

黙ってはいたけど、何回か唇が開いては閉じ、言葉を探しているようにも見えて、益田さんの言葉が彼にショックを与えたことが読み取れた。



「あの人さ.....いつかは別れなくちゃいけないっていう前提で、雪乃の友達の旦那さんと付き合ってるんだね。」

「.......。」

「相手の人は、どう思ってるのかな?.....やっぱり同じなのかな?」

「.......。」

「.....そんなのヤダ。」

「.....うん。」



頭から抱えこむように私を抱きしめる彼は、臨海公園で本音を話してくれた時と同じ表情をしていた。

大丈夫って、離れないって、誰よりも愛してるって言ってるのに.......
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