*9月26日* ―それでも君が好き―

*5月11日* 本当の友達は





放課後 教室で 夏架と砂依と私。


昨日は結局 話せなかったから。


「……あのね。」


ちょっと緊張してるから 指先が冷たい。


「……ごめんなさい。」


頭を深く下げる。


自分の足の後ろからロッカーが見えるくらい。


ゆっくり顔を上げると2人は 顔を見合わせて何やら困ったようだった。


「…私 気付かなかった。 相澤くんのこと。」


涙は流すつもりなかった。


だからハンカチもバックに詰め込んだ。


こういうとき 泣いたらだめだから。


「…あの また一緒にお昼ご飯食べたい。」


"自分の気持ち 言えばいいんだよ。 まとまんなくても 噛み噛みでも 関係ない。 伝わるなら 何でも言えばいいんだよ。"


佐々木くん ありがとう。


「また一緒に笑いたい。」


そう 恋ばなもしたいよ。


「また一緒にバカな話したい。」


頭の寂しい先生の似顔絵 夏架は本当に上手だった。


「……また 始めたい。」


0じゃなくて 1から。


また 私たちはきっと友達になれる。


今までよりもずっと近い3人になれる。


「……仲直りしたいよ。」




< 47 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop