君と本気のラブゲーム

「明兄はまた別だよ。あの人の歴代彼女の数は異常だから。しかも、本人は全部本気で付き合ってるからすごいよね」


「そうね。私とお父さんで、どうしてあんな子が生まれてあんな性格に育ったのか、本当、謎だわ。…でも、諒太郎は…、恋愛に関してはほんとに何も聞かないわね。見た目は悪くないと思うんだけどねぇ…」


はぁ、とため息を吐いて、お母さんはテーブルの上に置いてあったコーヒーを口に運んだ。


「うん。前に駅でお姉さんたちに話しかけられてるの見たよ」


諒兄は、まるでそこに何もいないみたいにスルーしてたけど。


お姉さんたち、ちょっと可哀相だったな。



「でも、ついにそんな諒太郎にも興味を持てる子が現れたわけでしょ?しかも、嘉乃ちゃんでしょ?嘉乃ちゃん、諒太郎の彼女になってあげてくれないかしらね」

「あはは」


嘉乃本人はそのつもりですよ、むしろ結婚する気満々ですよ、なんてさすがに言えないので笑っておくだけにした。


「じゃあ私着替えてくるねー」


「あ、じゃあついでにこれ諒太郎の部屋に持っていってくれる?」


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