君と本気のラブゲーム
「さぁ…。あの子は昔からあまり自分のことは話したがらないから…。明紀(あきのり)のなら、お母さん腐るほどネタ知ってるんだけどねぇ」
明紀っていうのは、岬家の長男。
今はもう家を出て働いている。
明兄(あきにい)は、本当に同じ家庭で育ったのかって疑いたくなるくらい、諒兄とは印象も性格も全く違う。
身内からすれば見た目は結構似てると思うんだけど、持ち前の明るいオーラのせいか、あまり諒兄と似てるとは言われないみたい。
諒兄は、メガネかけてるしね。
……明兄は。
いっつも、ニコニコしてて。
社交的で。
口がうまくて。
だけど、どこか抜けてるとこもあって。
家に連れてきた彼女さんだって、数えきれないくらいだし…。
だから、お母さんがそう言うのも頷けた。
確かに、モッテモテの明兄がいたんじゃ、諒兄にもしそういうことがあったとしても言えないだろう。
私だって、好きは人の話とかしたことないし。