君と本気のラブゲーム

「さぁ…。あの子は昔からあまり自分のことは話したがらないから…。明紀(あきのり)のなら、お母さん腐るほどネタ知ってるんだけどねぇ」


明紀っていうのは、岬家の長男。


今はもう家を出て働いている。


明兄(あきにい)は、本当に同じ家庭で育ったのかって疑いたくなるくらい、諒兄とは印象も性格も全く違う。


身内からすれば見た目は結構似てると思うんだけど、持ち前の明るいオーラのせいか、あまり諒兄と似てるとは言われないみたい。


諒兄は、メガネかけてるしね。



……明兄は。


いっつも、ニコニコしてて。


社交的で。


口がうまくて。


だけど、どこか抜けてるとこもあって。


家に連れてきた彼女さんだって、数えきれないくらいだし…。



だから、お母さんがそう言うのも頷けた。


確かに、モッテモテの明兄がいたんじゃ、諒兄にもしそういうことがあったとしても言えないだろう。


私だって、好きは人の話とかしたことないし。


< 137 / 542 >

この作品をシェア

pagetop