君と本気のラブゲーム
しかし。
「……あ、そっか」
嘉乃は、すぐに心の中でぽん、と手を打つ。
処理しきれない?
そんなわけない。
だって、答えはこんなに簡単だ。
「嘉乃?」
「諒太郎さん」
まっすぐ、諒太郎の瞳を見返した。
思い立ったが吉日!
それが嘉乃のモットーだ。
「好きです」
ざわざわというキャンパスを飾る木々のざわめきさえ、嘉乃の声をかき消さないようにと配慮しているかのように。
まるで、嘉乃の告白以外の全ての音が消え去ったかのような静寂。
そんな錯覚すら与えて。
はっきりと、嘉乃の言葉は諒太郎に響いたのだった。