君と本気のラブゲーム


クリスマス以降、私と京佑くんの関係はといえば、特に変わったところはなかった。



「じゃあ、おやすみ、綺深」


放課後一緒に過ごして、私の家まで送ってくれて。



「送ってくれてありがとう。気を付けて帰ってね」



お礼を言うと、優しく微笑んでくれる。



……出会ったころの京佑くんと同一人物とは思えないくらい、優しい。





私に背を向けて歩き出す京佑くんを、角を曲がって見えなくなるまで見送るのが癖になっている。



優しくしてくれて嬉しい。



……だけど、苦しい。




こんな気持ちのまま、私は卒業まで過ごさなければいけないのだろうか。



……なんて、私が自分で選んだことだけど。



私よりずっと、京佑くんのほうがつらいはずだ。



……こんな、中途半端な関係…。



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