君と本気のラブゲーム


「でも、ま、皆に見られて恥ずかしがってる綺深を見るのも楽しいけど。こんなところにいたらいつまでも先に進めないしね。そろそろ行こうか」



するりと繋がれた手。


京佑くんは、そのまま、私を引っ張るように歩き出す。


そして、たくさんの視線に追いかけられる中、駅の中に辿り着いて。


人のいない階段まで引っ張ってこられて。



「やっと、ふたりきり」



京佑くんはそう言って、優しく微笑みを浮かべると。


まるで壊れ物を扱うように、今までにないくらい、優しく私に触れて。


こちらを見る甘い視線に、私は抗うことなく目を閉じた。


温かい唇が触れて、自然に涙がこぼれ落ちる。



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