羽をくれた君~side陸~【完】
いくら初めてだからってこんなに恐がるか・・・?
「や・・・やめて・・・
陸さんはこんな事する人じゃない・・・」
真っすぐなまなざしで俺を見る。
なんだよそれ・・・
こんな事やられてもまだ俺を信じてんのか・・・
奈緒の体の震えは治まらなかった。
俺は奈緒から離れ、立ちあがった。
こいつといると・・・ホント調子狂う。
奈緒の目を見るのがこえー。
あいつの目を見ると、俺の全てを見透かされているような気がする。
俺が俺じゃねぇみてーになる。
「オレはおまえが思ってるほど優しい男じゃねーよ・・・」
「・・・え・・・」
「確かに広樹と付き合った方がいいかもな・・・」
あいつはお前を大事にしてくれるだろうよ。
だから・・・
俺の事はもう放っておいてくれ。
「・・・くっ・・・ひっく・・・」
大粒の涙が床に落ちているのがわかった。
しかし俺は見て見ぬふりをしてアパートを飛び出した。