世界に戯言に偽りを
「天気、悪いなぁ」
此処、最近は雨が多い気がする。
ダムが崩壊しそうだとか何とかニュースで言ってたような。
「水がないのも困るけど…有りすぎるのも困るみたい」
誰に言うでもなく自分に問いかけフッと笑う
このまま雨で大洪水で地球が滅びる可能性ってあるのかな。
死ぬのは怖いけど…生きるってことに執着はあまりない。
むしろ死んだ人を思うと見ると少し…ほんの少し羨ましい
幸せそうな顔で死んだ人を見ると余計に妬ましい
「…急がなきゃ」
仕事に遅刻は厳禁だ
それが社会人のルールだと誰かが言っていた。
教師だったか…親だったか…親戚だったか…他人だったか。
(もう忘れたけど、)
どの言葉も耳を痛感する…そんな音楽にしか聞こえない。
親の言葉でさえ此処最近は耳鳴りの…地雷に似てて窮屈だ。
(まるで、)
世界って言う大きな箱の中に閉じ込められた気さえする
例えば弱音って何処で吐けばいいのか…それを見失うほど
この世界の羅列に息が詰まり酸素を吸うことが邪魔で
己の存在に…いつ終止符が降りるのか…ただ待っている。
(鳥、みたいに)
「…なんてね」
「何がなんてなのよ」
「………舞」
「おはよ、今日は少し遅かったね…雨だから?」
間抜け面の、あたしの顔を苦笑いで返しクスッと笑う