世界に戯言に偽りを
世界は夢



神様、カミサマ、


訊いてますか?






「子供を殺したと警察に」



ピッと朝のチャンネルを変えれば聞き覚えのあるアナウンサーの声

化粧は薄いが顔が濃いため迫力ある女性だと自負している。



「○○動物園に可愛い赤ちゃんが」

「児童を虐待していたことに関して」

「地震の被害で民家が数件崩壊~」



ピッピッと朝から世話しなく動く指を軽快に操作しては欠伸を吐く。

ふぁ…と言う独自の効果音が眠気を更に集らせ涙を零す。




「朝から嫌なニュースばかり」




自分とは関係ないから誰が何人不幸になろうが死のうが…

そんな事は別段、あまり気にする事もないが不快に変わりない。




「…うん、完璧」


仕事に行く前に玄関越しの鏡で顔のチェックを済ませ靴を履く。

毎日毎日、飽きずに繰り返される行事みたいなものだ。




「うわ、雨だし」


天気予報は朝から大ハズレ


玄関を出てすぐに気付いたから運が良かった方だ。




(ラッキーってね)




パンッと傘を広げ曇った空に自身を映す





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