ラピスラズリの恋人
「やっと使ってくれたね」


「はい」


「これからはもっと使ってね?」


そう言って頭頂部にキスを落とすと、瑠花は照れ臭そうにしながらも大きく頷いた。


「あ、お腹空いてませんか?」


「え?」


「勝手にキッチンを借りちゃいましたけど、夕飯作ったんです」


瑠花は、俺の様子を窺うように控えめに告げた。


フッと漏れた笑みは、幸せが詰まったもの。


「ありがとう。お昼をまともに食べなかったから、お腹空いてるんだ」


「じゃあ、食べましょう。ワインもあるんですよ」


「珍しいね」


瑠花は意味深な笑みを見せた後、俺をリビングに促した――…。


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