ブルーと副総統
そんなに平気でもなかった幕間
「副総統、おつかれさまー。すごいキュートだったよ!」

 ピンクのシンプルなワンピに着替えたところで、控え室に入ってきた脚本家の横○先生のホクホク顔を見ながらあたしは微笑んだ。

「ありがとうございます! 念願のピンク着れてうれしいですよ~。もう全部先生のシナリオのおかげです!」
「あはは。結構ちゃんと副総統が立ち回ってくれたからだと思うよー。あの舞台挨拶のキスもよかったわー。あれってどうやったの?」
「あ、口開けてみただけですよ。ぶるーが適度に我慢効かなくてよかったです(笑)」

 ブルーって本当に素直な人なんで、そういったら先生に爆笑された。

「でも今日迎えられてよかったね、副総統」

 先生は感慨深げに言った。確かに、ブルーといちゃいちゃした夜の後、あたしが即効連絡取ったのは先生だった。
 総統《オヤジ》や、スポンサーにばれるのは時間の問題だったから、即効、シナリオの変更と根回しを整えないと、あたし自身の身が危ない可能性もあったからだ。
 ぽやんとしながらも、うちの総統《オヤジ》はルールや筋論《すじろん》にうるさい。
 いくらあたしが組織に半端なく貢献してたとしても、相談もなくヒーローと寝たことくらいならまだしも、恋に落ちたことがばれたらただではすまなかった。
 その中で一番、誰もが何も文句がでない方法となると、年末の映画が大ヒットすることが一番だと判断した先生とあたしは、当初パーティ会場で考えていたシナリオを大幅に変更することにした。先生はすぐに局のトップと大手スポンサーを説得しに行ってくれた。監督もすぐに一枚のってくれたんで手分けと説得力が増して助かったけど。

 ブルーにはその分、イロイロ我慢させる羽目に陥っちゃったけど、結果オーライでよかった。映画がこけたら、横○先生もただではすまなかっただろうから。

「ほんと、先生には頭が上がりません。ありがとうございます」

 先生は、やぁね、改まっちゃって。まぁ恋する乙女は応援しとかないとねって笑って茶化した。
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