ただひとつ。Side Story
「悪イなあ~…。」



生気の抜けた顔つきに、俺はもう笑うしかなかった。



『正義のヒーロー、酒にやられる。』





…あの頃のコイツは、正義を振りかざしたヒーローそのものだった。



一旦、弱みを見せると…



化けの皮は剥がれていく。




それでも…



人間味があって、いーじゃねーか?


むしろその方が……



きっと楽だっただろうに……。






結局俺はこういう奴を放っておくことができない。



まあ、つまり…



負けず劣らず、お人よしってことだ。





「…連れションしてくる。」



俺は…自分より頭一つ分デカイ男を、
引きずるようにして…


ヨタヨタと歩きだした。







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