恋に恋して恋をする。
ビッ……クリした。


いきなりあっさの口から奏くんの名前が出て、しかもそれが図星だった。



「な、何でそう思うの?」


「ちはるの誕生日の時、私が部活終わるの待っててくれたでしょ?渡り廊下で奏くんと一緒にいるの見たんだ」


そうだ、あの時、渡り廊下で奏くんとジュースを飲んだ。


「偶然見ちゃって、何となく声かけにくかったから知らんぷりしたんだけど……ごめんね?」


私はぶんぶんと首を横に振った。


「私こそ、みんなにちゃんと、言ってなくてごめんね」


今度はあっさが首を振った。


「最近ちはる、たまに奏くんとしゃべってるから、いい感じなのかと思ってたけど、どうなの?」



私は下がり眉で笑ったまま、これまでの経緯を大まかに話した。




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