恋に恋して恋をする。
「いや、別に大したことないの!
そっかそっか、奏くん保健委員だからいたんだ!」


アハハと笑ってごまかす。


「いや、さすがに授業中まで保健委員しないよ」


奏くんはクックッと苦笑しながら言った。


「てか、サボりだって言ったじゃん」


「あ、そ、そうだったよね!あはは!
邪魔してごめん。サボりの続きして?」


私はどーぞどーぞとベッドに促した。


奏くんは今度はぶはっと吹き出した。


「小島さんって面白い人なんだね」


「え?そ、そうかな?」


「うん。何かイメージと違ったかも」


「それは奏くんもだよ」


そう言うと奏くんはちょっと黙ってからベッドに横になった。


あれ?何か変なこと言った?


えっと……


「じゃ、じゃあ、ありがと!
おやすみ」


おやすみ、が変だったのか、奏くんは小さくぷっと笑った。


「うん、おやすみ」


奏くんが少し遅れてそう言ったので振り替えってみる。
休日にテレビを見るお父さんみたいなポーズで、小さく手を振っていた。


あ……またメガネ取ってる。






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