ノータイトルストーリー
第2章『湿った空気』

Case:覚_phase05

雨が上がり雲の隙間から月明かりが見える。





辺りを湿った空気が包み込んでいた。






春だというのに雨上がりのせいか冷たい風が頬を撫でた。






スーパーに入り、『おつかい』を済ませるとレジで





受け取ったレシートと小銭をポケットへと押し込んで、





また車に乗り込み、家へと走らせた。





近頃のスーパーは、夜だろうがやっているので、





助かるような、こんな『おつかい』が降りかかってくるので





煩わしいような複雑な気持ちだ(笑)





「便利さと不便さは背中合わせにいて、見る側によって姿を変える。」





などと、さも哲学者が言いそうな事を考えている





自分がおかしくなり、フッと笑った。


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