涙ペットボトル



「……っ」


あたし、最低だ。


こんなに優しい友達を

ひどい言葉で傷つけた。



かのんちゃんは、一体どんな
気持ちで、



どんなことを伝えたかったんだろう。



あたしは、とっさにかのんちゃんに
電話した。


「…プルルルルル、プル……ピッ、」


「っ、かのんちゃん!!」


「…………」


かのんちゃんは電話に出てるのに
返事がない。


「かのんちゃん!かのんちゃんっ!!」


「…………」


…やっぱり、駄目なの?


じわじわこみあげてくる。


もう、やり直しはできないの?



「….…ご、ごめんなさぁぁぁあい


ごめんなさい…本当にごめんね…」


涙がボロボロ溢れた。


やだよ。やだよ。


「会いたい…かのんちゃんに会いたい

ごめんなさい。許してもらえないけど

ごめんなさい….….」


ぐすぐす泣いてると、


「……あかり、ごめんね」


涙声が電話の向こうから聞こえた。


「っ…へっ?なんで?」


「だって…あたし、傷つけた。

あかりに一番大事なこと言えなかった。


あ、かり…の気持ち、っ…わかって

あげられなくて…っごめんっ。」


しゃっくりあげながら泣き出すかのんちゃん。


いつも背中を押してくれるかのんちゃんが、


こんなに泣いている。


一体どれだけ溜め込んでいたんだろう。


どれだけ、ひどいことをしたんだろう。




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