Special Edition


「えっとね?その……慧くんの寝顔が見たい」

「はぁ?!」

「だって、見たことないんだもん。……ダメ?」


寝顔が見たいなんて初めて言われた。

っつうか、そんな可愛い顔で

おねだりするポーズで『ダメ?』と言われたらなぁ?


男なら誰でも撃沈する

―――――好きな女の『ダメ?』


「別にいいけど……でも、どうやって?」


寝顔……って言われても、

そんな簡単に寝れねぇぞ?


すると、


「慧くん、ここに頭を乗せて?」

「へ?」


絢はラグの上で足を崩して座り、

膝の上をポンポン叩いている。


えっ?もしかして、膝枕?

そんなもんで寝れるかよ?!


絢があまりにも期待感大で

俺をマジマジ見るから、

俺も仕方なく……つい。


彼女の太腿にそっと頭を乗せ、

身体の力を抜いて、そっと瞳を閉じた。


………緊張する。

部屋が一段と静まり返ったみたいに。

急に心臓が騒ぎ始めた。

こんな状態で寝れねぇよ!!


その時――――、

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