Special Edition
杏花が横になっている傍らで、
俺は商談用の書類を最終チェックしていた。
現地時間18時20分。
俺と杏花は夕食を取りに館内のレストランへと。
ゆっくりと食事を済ませ、一旦部屋に戻り、
それぞれ入浴をすませて……。
そして、22時過ぎ。
少しドレスアップして、
俺らは最上階のスカイラウンジへ。
尖沙咀(チムサアチョイ)地区に立つ、このホテル。
ネイザンロードに面しており、
九龍側から香港島の夜景を一望出来る。
目の前に広がる煌びやかな夜景を眺める杏花。
カクテルで少し酔い始めた杏花は、
うっとりとした表情は艶気を帯びて。
他にも客はいるが、
そんな事は全然気にならない。
杏花を目にしては、
他のモノなど視界に入る余地すらない。
俺の肩に寄りかかる愛妻。
俺はそんな杏花の色香に酔いしれていた。