Special Edition
「お帰りなさい。どうでした?賑やかでしたか?」
「あぁ。今年はいつになく賑わってるよ」
「そうですか。……牧さ~ん?……牧さ~~ん!!」
「……は~~い……」
大声でお手伝いさんを呼ぶ母親。
すると、すぐさま牧さんが居間に。
「何か、冷たいお飲物でもお持ち致します」
「えぇ、お願いね」
牧さんは軽く会釈し、キッチンへと。
「足の具合はどうだ?……痛みは?」
「えぇ、大丈夫よ」
「親父。捻挫くらいで甘やかし過ぎなんだよ」
「隼斗、さっきから嫌味っぽくない?」
母さんが再びムッとした表情をしたかと思えば、
ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、
隣りに座る親父の腕に腕を絡ませ、
「あなた~隼斗ったらね?足の怪我を『罰が当たった』だなんて言うのよ?酷いと思わない?」
母さんは気持ち悪ほどの猫なで声で、
助け船を親父に求め始めた。