Special Edition
キッチンで黙々と料理をする杏花。
その横で綺麗に盛り付けをしているのは家政婦の村岡。
生後4か月の斗賀を片手で抱きながら
そんな2人の様子をキッチンの入口で傍観している俺。
「要様、申し訳ありません。こちらをテーブルに運んで頂けますか?」
「はーい」
村岡から大皿を受取り、リビングテーブルの上に置く。
今日は自宅でクリスマスパーティーをする予定。
自社ビルの上階に自宅がある事を知ってる人物は限られているし、
勿論、自宅へ招く事が出来る人物だなんてそれこそ限定される。
杏花には『友人を呼んだ』とだけ話してある。
料理好きの彼女にとって、
自宅でパーティーを開く事は夢だったらしい。
そんな事を知っていたら、
もっと早く叶えてあげれたのに………。
斗賀は俺の腕の中でウトウトし始めていた。
20分ほど前に、杏花が授乳をしたばかりだから。
最近首がすわり始め、抱くのも楽になって来たが
その分、動きが活発になって来て
ますます杏花を独り占めしている。
我が息子ながらに最強の男だ。