Special Edition
俺はすぐさまそれを確認すると、
『地下駐車場に到着』とのメールが表示された。
「杏花、到着したらしいから迎えに行って来るな」
「あっ、うん。なんか、緊張して来た」
「フッ、大丈夫だって」
「だって~、和成さん以外の友達に会うの初めてなんだもん。私変じゃない?」
杏花は小首を傾げ、エプロンの裾をギュッと握りしめている。
「杏花はいつだって可愛いし、綺麗だよ」
「ッ?!////もう、そういう事を聞いてるんじゃないのに!!」
「はいはい。じゃあ、俺は行って来るな?」
「あっ………はい。行ってらっしゃい」
俺は来客を迎えにキッチンを出ると、
村岡が気配を消して立っていた。
「さっきは……」
俺は声を殺して会釈した。
そんな俺のアイコンタクトに笑顔で頷く村岡。
そして、俺は携帯を持ち上げ、目配せした。
「行って来る」
「はい、行ってらっしゃいませ」
斗賀を片手に抱いたまま、俺は地下駐車場へと。
そして、専用エレベーターで降り立つと………。