Special Edition


「……もう、『女』としては見てくれないの?」

「へ?」

「私の身体が………醜い……から?」

「…………は?今、何て?」

「………だって、仕方ないじゃない。初めての子なんだもん、母乳で育ててみたいじゃない」

「…………?」


杏花は少し鼻声で話している。

既に瞳は潤んでいて、今にも大粒の涙が零れそうだ。


いや、そんな事より、杏花は何て言った?

母乳で育てたいと言わなかったか?

キスと母乳と何の関係があるのか、俺にはサッパリだ。


「杏花」

「………はい」

「一体、何の話をしてるんだ?」


俺は抱きしめる腕を解いて、彼女を見下ろす。

けれど、杏花は俺から離れたくないのか、ギュッと抱きついて来た。


「分かったから、ちょっとだけ話をしよう………な?」


杏花は渋々ほんの少し離れた。

そんな杏花をじっと見据えていると、

俺の視線に観念したのか、ゆっくりと顔を持ち上げた。


潤んだ瞳で俺を見つめる杏花。

口元はギュッと結ばれている。


「杏花」

「………はい」

「俺が好きか?」

「………うん、好き」

「どれくらい好き?」

「………世界で一番好き、大好きッ////」


杏花は恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋めた。


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