Special Edition


何の話をしてんだ?………俺らは。

何故、クリームが出て来たのか、サッパリだ。


「解るように説明してくれ」


俺はお手上げ状態だ。

話の筋すら見えず、完全に話の迷子だ。


俯き加減の杏花をじっと見据え、

彼女が言葉にするのを無言で待っていると……。


「要に………嫌われたくないから、早苗さんに………相談して、取り寄せて貰う事にしたの」

「…………何を?」

「……クリームを」

「クリームって、何のクリーム?保湿クリームとか、美容クリームの類か?」

「…………似たようなものだけど、ちょっと違う」

「違うって、………もしかして、変なローションの事?」

「へっ?」

「いや、何でもない」


俺は馬鹿か。

杏花がクリームと言っているのに、自ら墓穴を掘ってどうする。


杏花に限ってありえない。

まさか、そんなモノに頼ろうなんて考えるとは思えない。


じゃあ、何のクリームだ?


俺はますます混乱する頭で彼女をじっと見据えると、


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