Special Edition


「要は何処から聞いてたの?」

「どこからって、本田が『そういう人が』っていう所からだけど」

「…………なぁんだ」

「なぁんだって、何が?」

「要するに、その前に私が言った言葉は聞こえなかったって事でしょ?」

「…………あぁ」

「だとすると…………、もしかして、嫉妬して拗ねてたの?」

「ッ?!」


何がどうなってるのかサッパリだが、

何故か、俺は今、杏花に心を読まれている。


ってか、バレバレだよな、さっきのあんな態度じゃ。


俺は照れ臭くなって、悔しさを隠すように杏花を抱き締めた。


「で?………誰なんだよ、そいつ」

「誰って、誰もいないわよ?」

「嘘つけ。本田がそういうニュアンスの事を言ってたじゃないか」

「だから、それが勘違いなんだってば!!」

「………へ?」


勘違いって何だよ。

プレゼントまで用意しようとしてただろ?


「じゃあ、本田に頼んだモノって何だよ」

「それは………」

「ほらみろ、男にやるモノを頼んだんだろ?」

「そうじゃないの、男の人にあげるとかじゃなくて、私が使いたくて……」

「はっ?………杏花が使うって、何を?」

「………クリームを」

「クリームって?」

「…………」


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