Special Edition
「少しだけだから………」
「ッ?!//////」
ビクッと身体を震わす彼女の左肩に
空いてる方の手を滑らせた。
そして、ゆっくりとドレスの布地を捲るように……。
すると、鎖骨の端部分、肩の内側に傷痕はあった。
およそ10㎝程の手術痕。
四方から縫合されているような、かなり深い傷。
彼女はギュッと目を閉じ、呼吸も止めている。
きっと俺の指先の感触を感じて、
『早く終って』と念じているに違いない。
必死に耐えている彼女が堪らなく愛しくて……。
「ッ?!///////」
俺は傷痕に唇を這わせた。
痛みは無いというが、今でも十分に痛みがあるじゃないか。
………心の痛みが。
こうして、人目に触れないように無意識に隠し
そして、何も無い素振りを無理にしている。
そんな彼女が俺の心を溶かしてゆく。
ゆっくりと這わせた唇を離すと、
真っ赤な顔をした彼女と視線が絡む。
「十分いいものを見せて貰った、ありがとうな」
恥かしそうに唇を真一文字に結んだ彼女。
俺は想いの丈を伝えようと
俺の顔を見上げる彼女の唇に
…………ゆっくりと唇を重ねた。
~FIN~