Special Edition


俺は今日から3泊4日で実家に帰る事になっている。

彼女も実家に帰ってくれたら安心出来るのに、彼女は帰らないらしい。

というのも、彼女のご両親は母親の実家に行くらしく、彼女は破談の事もあって行きたくないらしい。


だから、仕方なくここに置いて行く結果になったんだけど。



「ねぇ、寿々さん」

「ん?」

「俺と一緒に来る?」

「へ?」

「だから、俺の実家に一緒に来るかって聞いてんの」

「…………」


彼女は俺の言葉に硬直した。


俺の実家はちょっと変わってる。

いや、かなり変わってる。


父親は裁判官、母親は弁護士、兄が検事という『パーフェクト法曹一家』だ。


俺も当初は法学部に入学したから、司法試験を受けようと思った事もある。

だが、俺には不向きだと思った。


仕事一筋の両親。

そんな両親を尊敬している兄。

どう考えても俺の居場所なんて無い。


次男なのに『一』が付く名前だって正直どうかと思う。

以前に両親に聞いたら、適当に付けたと言っていた。


本当にそうだと思う。

あの両親は子供の事に全くと言っていいほど、関心が無い。


それに………。


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