Special Edition
さすがに夕方の時間帯という事もあり、
野次馬の視線が少しばかり痛い。
まぁ、2年前のあの頃に比べたらマシだけど。
俺らは姉貴の企みによって
公開告白+公開キスシーン=公然の恋人
と、なった訳だが……。
2年も経てばその影も薄れて
今はこうして普通?に歩けている。
まぁ、葵が可愛い系美人という事と
俺がそれなりの容姿という事もあり、
必然的に注目を浴びるのは変わりないが……。
久しぶりのキスだったからか、
それとも、公共の場でキスしたからか、
彼女は予想以上に恥ずかしがってしまった。
「ごめん、………ごめんってばっ」
ポンポンと頭を軽く撫で、
彼女の手を引き自宅へを再び歩き出した。
自宅へ到着すると
俺の予想通り、姉貴たちはドロンした後。
俺らに気を遣ってくれたらしいが……。
当の本人、葵はさっきからちょっぴりお冠状態。
「葵、悪かったって………な?」
「もうっ!潤くんと違って、私は先生なんだよ?」
「…………悪い、俺も先生なんだけど」
「ッ?!………そういう意味の先生じゃなくて……もうっ!!」
「フフッ、ごめん。ちょっとからかい過ぎたな」